地球内部の密度

 地球内部がよく対流しており、温度が断熱温度分布(圧力変化による体積変化でのみ温度が変化する)である場合,次の式(Adams-Williamson の式)を用いて地球内部の密度を計算することが出来ます.


      ここで,   

ρ:密度,r:半径,g:重力加速度,Φ:サイスミック・パラメタ,V:P波速度,V:S波速度です.もし地球内部でのP波とS波の速度分布が解っていれば,そのデータから密度分布を計算することが出来ます.ここで,P波,S波というのは,地球内部を伝わる弾性波(地震波)で,P波が縦波,S波が横波です.
 上の式から,ある深さで地震波速度と密度が分かっていると,地震波速度からΦが計算できて,その深さでの密度の深さ方向の変化率が計算できることが解ります.それを用いて,ある深さだけ深い(浅い)場所での密度が計算できます.それを繰り返していきます.
 上の式とPREMと呼ばれる地球内部の地震波速度のデータ(データはこちら)を使って,マントル内部の密度を計算してみましょう.
 下の図はPREMの値を図にしたものです.


青:Vp,緑:Vs,赤:密度

レポート:

  1. 以下の条件で,マントル(深さ2891kmまで)での密度の深さ分布を計算してください.また,それらをPREMの密度と共に図示してください.重力加速度は,9.8m/s2で一定とします.

    • 24.4 km より深い部分を計算してください.
      (深さ24.4 kmでのPREMの密度を初期値に使って,24.4kmから始めて順次その下の層の密度を計算していきます.)
    • 深さ24.4 km での密度に 3.0〜3.5 g/cm3 の範囲のいく通りかの値を使って,それぞれの値についてマントルの密度分布を計算してください.
    • PREMモデルには速度の不連続があります(深さ220, 400, 670, 2891 km).それらの深さでの密度のジャンプの大きさは PREM のものを使ってください.(計算した密度の値に,PREMの密度の差をたす)

  2. マントルの平均密度を計算してください(各深さインターバルでの球殻の重さを足して,体積で割る).


    余裕がある人は,以下も計算してみて下さい.

  3. 重力加速度も密度と同時に計算してみて下さい.地球の質量は, M = 5.974 x 1024 kg ,万有引力定数は,G = 6.673 x 10-11 m3s-2kg-1 です.
    (各深さで,密度,重力に寄与する質量(その深さ以深の質量),重力加速度を計算する.求めた重力加速度を用いて,つぎの深さでの密度を計算する)

  4. 核(コア)の内部も計算してください.