近年、注目を浴びている都市部のヒートアイランド現象を解明するために、
今日までに、様々な都市気象の立体構造モデルが提案されてきました。
しかし、それらのモデルを裏付ける実際の観測データ、
特に、都市部における接地境界層内の、気温の鉛直分布を観測した例は十分でありません。
測器が大掛かりであるために、都市部のような建て込んだ場所では観測が困難であること、
手間が大いにかかってしまうこと、などが原因として考えられます。
そこで、今まで「みんちか」プロジェクトで開発された計測機器や、
手ごろで扱いやすいアドバルーン、そして、手間を惜しまない根性で、
京都市における鉛直方向の気温を連続的に観測することにしました。
ここでは、その背景、観測方法、今まで得られたデータとそこから考えられることを紹介します。