Logo2010年10月伊豆大島実験レポート

ほむら 三原山

 2010年10月、観測ロボットを使った火山観測についての情報交換の場として、第2回伊豆大島無人観測ロボットシンポジウムが開かれた。それに参加させていただく形で、ほむらチームも三原山(伊豆大島の火山)の麓にて実地テストを行った。前回のシンポジウムの際は、悪天候で試験できなかったところがあったので、その部分について試験、実験を行った。


実験目的

 今回は、シンポジウムに参加し情報交換をはかることと、前回の伊豆大島で試験できなかった部分について試験を行うことを目的とした。具体的には三原山登山道を登ることや、スコリアの溝の走破試験、遠隔操作実験を行った。


実験結果

 まず、三原山裏砂漠において、スコリア斜面の走破試験を行った。 大きな障害物がなければスコリア斜面は走破できた。傾斜については以前の実験同様、30度以下の斜面は問題なく登ることができた。30度以上の多少の段差であれば、斜面を崩しながら登る事が出来た。スコリア地形では斜面が崩れやすいため車輪が斜面を掘ってしまい、登坂に時間がかかり電池を消費してしまうため車輪の形状等を改良する必要がある。

裏砂漠で実験準備 遠隔操縦で疾走するほむら 天候の悪い中での実験

 次に、遠隔操縦、センサーの試験を行った。 裏砂漠の傾斜15度程のスコリア斜面を遠隔操縦で登った。途中通信が不安定になったが、直接目視しなくてもコンパスをたよりにおよそ200メートルほど登ることができ、無線の距離が伸びれば噴火時に安全なところから遠距離の目視によらない操縦も可能であるといえる。センサーの調整が不十分だったため、今後改良する必要がある。

===2010伊豆大島実験の動画===

 実験最終日に、登山道から三原山登山を行った。 登りは最大傾斜20度程のスコリアと数センチの火山弾斜面で、問題なく40分ほどで火口周回道に到着できた。20分ほど火口周回道を走り、バッテリーが切れたため1時間ほど充電し、その後アスファルトの登山道を下り40分ほどでバッテリーが切れた。バッテリーに関しては問題なく登ってくる容量があるが、さらにそこで作業を行い、戻ってくることを考えるとさらに容量の大きいリチウムイオンバッテリーにする必要がある。走行性能に関しては大きな問題なく登山できるが、斜面だと意図せず進行方向が変わることがあり、より容易に操作できるようにする必要があるかもしれない。

 今回の走行試験では、べニア製の車輪固定機具がかなり傷んでおり、車輪の固定が走行中に緩むことがあった。機体の木の部分は表面を塗装し風雨に強くする必要がある。

 JPEGカメラについては、三宅島での実験以降ソフトウェアの改良を行ったが、依然調整が不十分であり、撮影を安定して行うことができなかった。別の製品への換装も含めて、今後検討する必要がある。

 モーターギアは、今回の実験中に2個破損したが、走行性能にはそこまで影響を与えなかった。タイヤにゴム製の緩衝機能を付けてから破損率も下がっているので、現時点ではそこまで問題視しなくても良いと思われる。


まとめ

 今回の実験では、前回の伊豆大島試験では十分に実験できなかったスコリア斜面の登坂テストを行い、スコリア斜面でも十分な走行性能を示した。火口までの往復1.6kmも問題なく走行できたため、バッテリー容量さえ増えれば、噴火時に安全地帯から噴火口まで走らせる、という使い方も現実的といえる。今後は、この距離を遠隔操縦可能か実験する必要があると思われる。

 今後は、センサー、カメラなどソフトウェアの調整と、新バッテリーへの移行を行う予定である。


Mobile Sensor for Volcanic Observation "HOMURA"
火山観測用自走式センサー「ほむら」
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2010 11/27更新