2015年度 探究型地球科学課題演習 各演習テーマの紹介

受講者は,下記の中から一つの演習テーマについて半期を通じて取り組みます


教員 分野 テーマ 内容
酒井 敏 気象

対流を見る

地面は太陽に暖められてその上の大気を熱し、軽くなった大気は上昇気流を作って対流を起こす。よくある説明ですが、ほんとにこのような対流を見たことがありますか? トンビは上昇気流の場所を知っているかもしれないけど、人間にはわかりません。 何とかして、この対流を見てみたい。 どんな方法が考えられるか、ということを含めて、いろいろ挑戦してみたいと思います。

谷口 慶祐 地震 実際の地震の波形記録を解析してみよう

実際の地震波形を解析し、地下構造の影響や震源の深さによる違いを調べます。 また自然地震とそれ以外のものを比較し、違いを探ります。

小木曽 哲 岩石 マグマを作る・火成岩を読む

あらゆる岩石には、その岩石が出来た時の情報が記録されています。マグマが固まってできた火成岩からは、その岩石がマグマだったころの情報を読み取ることができます。本実験では、実際に高温高圧でマグマを作り、それを冷却して取り出したものを観察・分析して、元のマグマの情報を火成岩がどれほど正確に記録しているのかを確かめます。

鎌田 浩毅 地質 京都市内の地質・断層・水資源・建造物岩石を観察 大学のキャンパスから外に出て、京都市内の地質・断層・水資源・建造物岩石を観察します。その後に観察結果について文献等で調べて、プレート・テクトニクスの観点から成り立ちを探求します。外出する日は16:15までに京大へ戻ります。なお有料の博物館などにも入館するので1000円弱の現金、往復の市バス代(230円×2)、学生証(学割に使います)、雨傘(雨天でも決行する場合あり)を必ず各自で持参してください。また、街中を歩ける靴と服装で来て下さい。交通には十分に注意してください。
生方 貴男 古生物

アンモナイトの螺旋を測ろう

アンモナイトの殻は螺旋形に巻いている。その巻き方は,螺旋の動径が一定の比で拡大していく対数螺旋で良く表されることが知られている。しかし実際のアンモナイトの殻形態は,対数螺旋に厳密に従うわけではなく,多少なりともそれからずれる。一方,対数螺旋よりもっと複雑な平面螺旋モデルを考えた方が,実際の殻形態に当てはめやすいだろう。それでは,多少ずれていても単純な対数螺旋モデルを採用するのが良いのか,それともたとえ複雑であってもより実際に良く当てはまる螺旋モデルの方が好ましいのだろうか。「オッカムの剃刀」とも呼ばれる科学の基本的な考え方について,化石の形を通じて考えてみよう。