2013 年度 地球科学実験A 各実験の紹介


2013年度の実験は各曜日8テーマに分かれています。月曜および火曜日で受講者をそれぞれ8班に分け、2回を一つの実験テーマで行い、半期の内に各班6つの実験テーマで実習を行います。

曜日 教官名 分野 テーマ 内容
石川 尚人 地球磁場

地球磁場の諸量の観測

地球磁場は現在の地球の環境を制御している要因の1つであり、気候変動にも関わりあることが指摘されてきています。日頃は意識することのない地球磁場を考えてみる機会として、地球磁場に関する諸量、強さや方向、を計測してみます。

根田 昌典 気象・海洋 見えないものを見てみよう 私たちが物体を見るとき、可視光が物体に当たって反射した光を見ています。その一方で、私たちの身近にある物体はそれ自体が赤外線を自ら放射しています。赤外線の強さは温度や放射率に関係して変化します。これは、人工衛星で海面の温度や雲の状態を観測したり、陸地の植生を見たりすることに応用されている原理です。人間の目は可視光よりも波長の長い赤外線を直接見ることはできませんが、赤外線カメラ(サーモグラフィ)を使うと、普段とは少し違った風景が映ります。部屋の中や建物の外、植物や動物、金属、水や気体の運動など、いろいろなものがどんなふうに見えるのか、想像力を働かせていろいろ調べてみてもらいたいと思います。
金子 克哉 地球流体 伝わる,流れる,混ざる 地球では,熱や物が伝わったり(伝導,拡散),流れたり(対流)しながら移動し,混ざったり(混合),分かれたり(分離)する中で,様々な現象が引き起こされている.水や塩水などを使った実験を通じて,その向こう側にある地球の現象を見てみよう.
向井 厚志 重力

振子による精密重力測定に挑む

ひっくり返しても振らせることができる可逆振子を使って、重力加速度を測定します。 重力は地球内部の質量分布やその変動を捉える重要なシグナルのひとつです。 可逆振子の測定原理を学び、測定方法を工夫しながら、測定精度の限界にチャレンジしてみましょう。

加藤 護 測地 わたしは誰、ここはどこ 地球上での自分の位置を知ることは地球科学の重要な研究テーマの一つです。「私はどこにいるの?」「私とあなたはどれだけ離れている?」を学内を歩いて体感してみましょう。
谷口 慶祐 地震 地震計の原理を学び、地震の波形記録を扱ってみよう 地面の上に置いた地震計で、なぜ地面の動きを得ることが出来るのでしょうか。地震計は地面の変位を、しかも忠実に記録しているのでしょうか。これらのことを考えながら、実際の記録を解析してみましょう。
小木曽 哲 岩石 野外と室内での岩石観察 岩石には、岩石ができた時の情報が記録されています。この実験では、岩石を肉眼や顕微鏡を使って観察し、岩石からどんな情報を引き出すことができるのかを学びます。大文字山を登りながら、また、実験室で顕微鏡を覗きながら、地球の変動の歴史や日本列島の形成過程を岩石から読み取ってみましょう。
鈴木 寿志 古生物 京都の丹波地体群と大阪層群

京都市北部の丹波地体群と京都市深草の大阪層群を訪ねます。1週目は叡山電車を使って、2週目は京阪電車を使って現地に集合します。

齋藤  昭則 流星 電波による流星の観測

流星は高度90km付近で発光すると同時にイオンと電子のプラズマを作ります。このプラズマによって反射される電波を大学屋上に設置するアンテナで受信して、流星の観測をします。

酒井 敏 気象 湿度を測る

大気の湿度は、気温と並んで非常に生活に密着した馴染の深い気象要素です。しかし、実は湿度を正確に測るのはかなり大変です。ここでは、大学構内と吉田山で湿度の連続測定をすることで、湿度について考えます。

金子 克哉 地球流体 伝わる,流れる,混ざる 地球では,熱や物が伝わったり(伝導,拡散),流れたり(対流)しながら移動し,混ざったり(混合),分かれたり(分離)する中で,様々な現象が引き起こされている.水や塩水などを使った実験を通じて,その向こう側にある地球の現象を見てみよう.
風間 卓仁 測地 水準測量で地形の高低差を知る

地球の形状を測定する学問「測地学」の中でも、水準測量は地形の高低差を知るために重要な測定方法の1つです。 今回は、吉田神社の参道内にある2つの金属標の間で水準測量を実施し、金属標間の高低差を求めます。 実際の測量を通して、測地学の重要性を実感してもらえると嬉しいです。

加藤 護 地震 地震の波形記録に親しむ 地震計のしくみを知ろう、地震波形を見てみよう、地震波形から情報を読み取ろう。
堤 昭人 テクトニクス

京都の地質とプレートテクトニクス

京都周辺の山々には、ペルム紀~ジュラ紀の時代に海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む際に形成された,「付加体」という地質体が分布しています.この実習では京都の宝ヶ池公園を歩き,そこに露出する中生代「付加体」の観察を行い,また,室内でプレートテクトニクスに関する簡単な解析を行うこととで.京都の地質形成に関する知識を深めることを目的とします.

河上 哲生 岩石 岩石の組織を実体顕微鏡や偏光顕微鏡で観察し、その形成過程を考えよう

大陸やマントルを構成する岩石(堆積岩・火成岩・変成岩)の試料多数を実際に手にとって観察する。 一週目は岩石の種類と成因などについて概説した後、肉眼と実体顕微鏡による組織観察を行う。 二週目は、偏光顕微鏡の構造の理解に最低限必要な結晶光学の基礎を概説した後、岩石の薄片を偏光顕微鏡で観察し、岩石の成因や形成後の履歴をどのように読み取っていくのかについて概説・考察する。

鎌田 浩毅 地質 京都市内の建造物に見られる地質・岩石・鉱物を観察する

内容:1週目は大学のキャンパスから外に出て、京都市内の建造物に見られる地質・岩石・鉱物を観察します。16:15までに京大へ戻ります。2週目は室内で大陸移動・造山運動・噴火・地震のビデオを見て、ダイナミックな「地球の営み」について考察します。なお有料の博物館に入館するので1000円弱の現金、往復の市バス代(220円×2)、学生証(学割に使います)、雨傘(雨天でも決行)を必ず各自で持参してください。また、街中を歩ける靴と服装で来て下さい。交通には十分に注意してください。