2012年度 地球科学実験A 各実験の紹介


2012年度の実験は各曜日8テーマに分かれています。月曜および火曜日で受講者をそれぞれ8班に分け、2回を一つの実験テーマで行い、半期の内に各班6つの実験テーマで実習を行います。

曜日 教官名 分野 テーマ 内容
齋藤  昭則 流星 電波による流星の観測 流星は高度90km付近で発光すると同時にイオンと電子のプラズマを作ります。このプラズマによって反射される電波を大学屋上に設置するアンテナで受信して、流星の観測をします。
根田 昌典 気象・海洋 見えないものを見てみよう 私たちが物体を見るとき、可視光が物体に当たって反射した光を見ています。その一方で、私たちの身近にある物体はそれ自体が赤外線を自ら放射しています。赤外線の強さは温度や放射率に関係して変化します。これは、人工衛星で海面の温度や雲の状態を観測したり、陸地の植生を見たりすることに応用されている原理です。人間の目は可視光よりも波長の長い赤外線を直接見ることはできませんが、赤外線カメラ(サーモグラフィ)を使うと、普段とは少し違った風景が映ります。部屋の中や建物の外、植物や動物、金属、水や気体の運動など、いろいろなものがどんなふうに見えるのか、想像力を働かせていろいろ調べてみてもらいたいと思います。
向井 厚志 重力 可逆振子で精密に重力を測る ひっくり返しても振らせることができる可逆振子を使って、重力加速度を測定します。重力は地球内部の質量分布やその変動を捉える重要なシグナルのひとつです。可逆振子の測定原理と解析方法を学びながら、可逆振子による重力加速度の測定精度の限界にチャレンジしてみましょう。
加藤 護 測地 わたしは誰、ここはどこ 地球上での自分の位置を知ることは地球科学の重要な研究テーマの一つです。「私はどこにいるの?」「私とあなたはどれだけ離れている?」を学内を歩いて体感してみましょう。
谷口 慶祐 地震 地震計の原理を学び、地震の波形記録を扱ってみよう 地面の上に置いた地震計で、なぜ地面の動きを得ることが出来るのでしょうか。地震計は地面の変位を、しかも忠実に記録しているのでしょうか。これらのことを考えながら、実際の記録を解析してみましょう。
成瀬 元 地質 河の地形形成プロセスの水路実験 環境変動や人間活動は河川地形にどのような影響を与えるのだろうか?河川が作る様々な地形・構造には,その成因がわかっていないものも多い.この実験では,河川の地形形成プロセスを簡単な水路を使って室内で再現し,身近な自然現象の理解を目指す.
小木曽 哲 岩石 野外と室内での岩石観察 岩石には、岩石ができた時の情報が記録されています。この実験では、岩石を肉眼や顕微鏡を使って観察し、岩石からどんな情報を引き出すことができるのかを学びます。大文字山を登りながら、また、実験室で顕微鏡を覗きながら、地球の変動の歴史や日本列島の形成過程を岩石から読み取ってみましょう。
石川 尚人 地球磁場 地球磁場の方向の計測 地球磁場は,棒磁石のようなN,Sの両極をもつ双極子が作り出す磁場と見なすことできます。その地球磁場に関して,真北(地理的な北)と磁気的な北とのずれ「地磁気偏角」や過去の地球磁場の方向を,簡単な計測を通して求めてみようと思います。我々は日頃地球磁場を意識することはありませんが,この実習で地球磁場に思いを馳せてみましょう。
石川 尚人 地球磁場 地球磁場の方向の計測 地球磁場は,棒磁石のようなN,Sの両極をもつ双極子が作り出す磁場と見なすことできます。その地球磁場に関して,真北(地理的な北)と磁気的な北とのずれ「地磁気偏角」や過去の地球磁場の方向を,簡単な計測を通して求めてみようと思います。我々は日頃地球磁場を意識することはありませんが,この実習で地球磁場に思いを馳せてみましょう。
酒井 敏 気象 空から降ってくるものをみる 晴れたら、太陽光など空からくる光、雨が降ったら、雨粒を見ます。曇ったら???
金子 克哉 地球流体 地球科学における伝導と対流 地球では,熱や物が伝わったり(伝導,拡散),流れたり(対流)しながら移動し,混ざったり(混合),分かれたり(分離)する中で,様々な現象が引き起こされている.水や塩水などを使った実験を通じて,その向こう側にある地球の現象を見てみよう.
大倉 敬宏 測地 地面のタカサを測ります 地面のタカサの測定(水準測量)を行います.この実験では、水準測量のしかたを習得し、離れた場所の高さの差を高精度で測定します。
加藤 護 地震 地震の波形記録に親しむ 地震計のしくみを知ろう、地震波形を見てみよう、地震波形から情報を読み取ろう
鈴木 寿志 古生物 微化石を探そう 地層をつくる堆積物の中には,顕微鏡で見ないと見つけられない小さな化石,微化石が含まれているものがあります.この実験では,実際に,堆積物を京都深草の地層露頭(大坂層群)へ試料採集にでかけます.その試料を使って,スミヤスライドを作成して顕微鏡を用いて化石を探します.
河上 哲生 岩石 肉眼と実体・偏光顕微鏡による岩石の観察 地球表層に産する代表的な火成岩・変成岩・堆積岩の観察を行う。1回目は肉眼と実体顕微鏡により観察を行い、どのような形状・組成の鉱物からこうした岩石が出来ているのかを理解してもらう。2回目はこうした岩石のうち代表的なものを25-30ミクロンに薄く削って作成した「薄片」を偏光顕微鏡で観察し、どのような情報が取れるのか、どのように鉱物を鑑定するのかを概説し、実習する。取り扱う岩石は主として国産のものであるが、担当教員が研究している南極大陸などの岩石も用いる。
鎌田 浩毅 地質 京都市内の建造物に見られる地質・岩石・鉱物を観察する 1週目は大学のキャンパスから外に出て、京都市内の建造物に見られる地質・岩石・鉱物を観察します。16:15までに京大へ戻ります。2週目は室内で大陸移動・造山運動・噴火・地震のビデオを見て、ダイナミックな「地球の営み」について考察します。なお有料の博物館に入館するので1000円弱の現金、往復の市バス代(220円×2)、学生証(学割に使います)、雨傘(雨天でも決行)を必ず各自で持参してください。また、街中を歩ける靴と服装で来て下さい。交通には十分に注意してください。