2009年度の実験は月曜日7テーマ,火曜日8テーマに分かれています。月曜および火曜日で受講者をそれぞれ7および8班に分け、2回を一つの実験テーマで行い、半期の内に各班5つの実験テーマで実習を行います。
曜日 | 教員名 | 分野 | テーマ | 内容 |
月 | 大塚 成昭 | 測地 | 高さの測定(水準測量)と地殻変動の監視 | ここでのテーマは「高さ」です。「高さ」の測定は「水準測量」と呼ばれています。この実験では総合人間学部のキャンパスから吉田山までの水準測量を行います。100m以上も離れた2地点間の高さの差をミリメートルの精度で測定します。先輩たちのデータと比べることで、地殻の上下変動を検出することを試みます。最近、日本中で地震が、相次いで発生しています。京都に地震が起こっても不思議ではありません。地震に関連して地殻変動が、あるかも知れません。少々の雨ならば傘をさしてでも屋外で実験を行いたいと思います。体を動かすことが好きな人、大歓迎。 |
月 | 石岡 圭一 | 地球流体 | 回転流体の基礎の基礎 | 大気や海洋などの地球流体運動には, 地球の自転が非常に大きく効いており,様々な特徴ある現象を引き起こす. この効果を回転台を使った実験で体感しみよう. |
月 | 能勢 正仁 | 地磁気 | 地球の磁場を測ろう | 地球は、それ自身が大きな磁石になっています。その磁場はどのくらいの大きさで、1日のうちにどのように変化しているのでしょうか。この実験では、実際に磁力計を使って測定を行い、データの整理を通してこの問題の答えを見つけ、さらにその原因となる超高層(高度100kmから約40000km)の現象について学びます。 |
月 | 佐藤 活志 | 地質 | フィールドワークで探る京都の地質 | 宝ヶ池公園周辺では,京都盆地の基盤を構成する岩石を手軽に観察することができます.2億年前の海洋底が現在の京都の山となるまでの地史に触れ,同時にフィールドジオロジー(野外地質調査)の初歩を体験することを目的とします. |
月 | 渡邊 裕美子 | 気候変動 | 樹木年輪から探る古気候変動 | 近未来の気候変動予測に重要な過去の気候変動は、地質学的サンプル(樹木、堆積物コア、氷床コア、さんご礁、鍾乳石など)の詳細な分析・解析に基づいて復元される。今回の実験では樹木の年輪を題材として用いるが、樹木の年輪幅の測定と気象観測データとの比較によって、樹木が過去の気候をどのように記録しているのか探ってみましょう。 |
月 | 西 憲敬 | 気象 | 気温分布の測定など |
連続して記録できる温度計を用いて、場所による温度の違いを測定する。また、温度の時間変化についても調べる。地面の状態などによって温度がどの程度違うかを考えるのは、ヒートアイランドなどの局地気象研究には大事なことである。天気によっては、雲の観測なども行う予定である。 |
月 | 加藤 護 | 地震 | 地震の波形記録を扱ってみよう | 地震計を見てみよう。地震波形を見てみよう、解析してみよう。 |
月 | 石川 尚人 | 断層 | 吉田山における断層の観察 | 活断層「花折断層」は,吉田山から京大構内を通り,白川通り付近を通って,北へと続いています.空中写真を利用した断層地形の解析,実際の地形の観察,その他の方法を用いて断層位置を推定し,活断層への理解を深めましょう. |
火 | 北原 達正 | 太陽 | 太陽の分光解析 | 太陽の表面温度の6000℃や、太陽大気中の構成原子はどのように決定されていったのだろうか。連続スペクトルと輝線スペクトルの実験から「光」の本質に迫る。また、飛騨天文台太陽望遠鏡で撮影された精密スペクトルの分析も行う。 |
火 | 向井 厚志 | 重力 | 可逆振子を用いた重力測定 |
本実験では、ケータ可逆振子を使って重力加速度を測定します。重力加速度には、地球の形状と内部構造に関する情報が含まれています。まず、思考実験を通して、地下空洞の影響や潮汐による地球の変形の大きさを推測してみましょう。こうして重力測定の意義を理解したのち、測定装置の仕組みと正しい取り扱い方、測定値の処理方法を学びながら、精密な重力加速度の測定を試みます。 |
火 | 三宅 亮 | 地質 | 大文字山の岩石鉱物観察 | 大文字山を歩き,そこに産出する岩石鉱物の観察を行う。 |
火 | 関口 春子 | 地震 |
地面のゆれ方 |
地震が起こった際の地面のゆれ方は,足元の地盤によって大きく変わります.実際の大きな地震で,地盤によってゆれが異なり,被害の程度が変わった事例を紹介します.そのメカニズムを簡単な実験で理解します. |
火 | 鈴木 寿志 | 古生物 | 微化石の観察 | 現世海底堆積物中に含まれる小さな生物の遺骸を顕微鏡を用いて観察する。どのような生物の遺骸が化石になるかを理解し、すでに隆起した陸上の地層との関連を考える。 |
火 | 小木曽 哲 | 岩石 | 肉眼と顕微鏡による岩石の観察 | 地球内部の大部分は岩石でできています。岩石を観察する,ということは,地球を直接観察する,ということに他なりません。本実験では,岩石そのものを肉眼や実体顕微鏡で観察したり,薄くスライスした「薄片」を偏光顕微鏡で観察したりして,岩石から地球内部の情報を引き出す手法の基礎を学びます。 |
火 | 石川 尚人 | 地球磁場 | 地球磁場に関する諸量の計測 |
地球磁場は,棒磁石のようなN,Sの両極をもつ双極子が作り出す磁場と見ることができます。その地球磁場に関する諸量として,真北(地理的な北)と磁気的な北とのずれ「地磁気偏角」や地球磁場を生み出す地磁気双極子の強さを,簡単な計測を通して求めてみようと思います。我々は日頃地球磁場を意識することはありませんが,この実習で地球磁場に思いを馳せてみましょう。併せて,地球磁場を感じることができる生物も観察してみます。 |
火 | 金子 克哉 | 地球流体 | 伝わる,流れる,混ざる | 地球では,熱や物が伝わったり(伝導,拡散),流れたり(対流)しながら移動し,混ざったり(混合),分かれたり(分離)する中で,様々な現象が引き起こされている.この実験では,水槽の中の流れを見ながら,地球の現象に思いをはせてみよう. |