2003年度 地球科学実験A 実験の紹介


2003年度の実験は8テーマに分かれています。各曜日とも受講者を8班に分け、2回を一つの実験テーマで行い、半期の内に各班5つの実験テーマで実習を行います。

曜日 教官名 分野 テーマ 内容
         
北原 達正 太陽 太陽フレアの解析 太陽表面で起きる爆発現象「太陽フレア」を解析する。飛騨天文台で撮影されたHα線画像のデジタルデータを用いて、パソコンで画像解析をする。
大塚 成昭 測地 高さの測定(水準測量) ここでのテーマは「高さ」です。「高さ」の測定は「水準測量」と呼ばれています。この実験では総合人間学部のキャンパスから吉田山までの水準測量を行います。少々の雨ならば傘をさしてでも屋外で実験を行いたいと思います。100m以上も離れた2地点間の高さの差をミリメートルの精度で測定します。体を動かすことが好きな人、大歓迎。
大野 照文 古生物 化石でひもとく太古の歴史 二枚貝や三葉虫の化石を観察して、地球の過去や生物の進化が判った気にになります。ウソだと思ったら受講してみてください。二枚貝の殻に記録された微細な成長線を解析することによって、それがどのような周期で作られたのかを推定します。また、形成周期が判ればそれを使って二枚貝の化石の成長を、きわめて良い精度で復元することも可能です。このような内容を実習によって学びます。また、三葉虫の化石をしっかり観察することによって、過去の生物の生態を復元する作業をします。歴史について仮説を立て、検証することの面白さを学びます。
玉井 雅人 地磁気 地磁気の測定 普段意識することのない地磁気とはどのようなものかを,プロトン磁力計を使って測定し,その分布を調べてみよう.
堤 昭人 地質実験 堆積物の透水性のモデル実験 ここでは,ガラスビーズや砂などを使った室内透水実験を通じて,砂や泥の層のような,多孔質媒体中の水の流れに関する,基本的な性質を把握することを目的とします.
下林 典夫 岩石 火成岩の顕微鏡観察 地下のマグマが冷却・固結してできる火成岩を題材として、顕微鏡で観察するための岩石プレパラートを自分たちで作製していただきます。その顕微鏡観察を通して、冷却過程と岩石を構成する鉱物の集合パターンとの関連などを考察します。
加藤 護 地震 地震の波形記録を眺めてみよう 地震計とはどういうものなのだろう。さまざまな地震の記録を眺めて、何が分かるのかを考えてみよう。・実際に、ハンマーで地面をどついて(日頃のストレスを発散し)人工的に地震を発生させ、記録してみよう。うまく記録できれば、その記録から、地面表層の構造を探ってみよう。
金子 克哉 地球流体 対流のいろいろ 誰でも火にかけた鍋の中の味噌汁の対流を見たことがあるだろう.海洋やマグマなどの液体では,様々な原因による対流が起こり,地球の多様な現象を引き起こす原因になっている.いろいろな対流を実際に見てみよう.
         
西田 潤一 重力 可逆振子による重力測定 地球の重力を正確に測定することは古くからの地球科学のテーマである。地球重力を測定することの意義を簡単に講義するとともに、その絶対測定を行ってみる。
酒井 敏 計測技術 火星?探査車  LEGO Mindstorms で探査車を作り、自分でプログラムを書いて目的のミッションを遂行する。最終ミッションは、定められたコースを走り、そのコース上の温度データを自動的に収集することである。 
余田 成男 気象 カオスの体験 気象学に関連する話題の中で「カオス」の概念が有益である次の2つをとりあげ、それぞれの概要を紹介し、関連する簡単な実験を行なう。(1) 数値天気予報における予報誤差の拡大:電卓を用いて「天気予報」がはずれていく様子を体験する(2) オゾンホールに代表される地球規模での物質混合:墨流しをすることにより流体混合のカオスを体験する.
中串 孝志 惑星 惑星画像の解析 惑星地上撮像観測データ(近年の火星画像を予定)を使います.まず、何が写っているのか、どうやってそれを写したのか、などについて簡単な解説をします。その後、実際にその「写っているもの」について、解析をしてもらいます。
大見 士朗  地震 西南日本で発生する地震の震源決定 自分達の足元で発生したいくつかの地震の震源決定をやってみる。教材は、京大の地震観測網で記録された、近畿地方や中国地方で最近発生した地震の波形記録。主に作図によってこれらの地震の震源の位置を決めてみるが、そのほかに実際の業務で利用されている震源決定プログラムもコンピュータ上で試してみる。
山路  敦 地質 野外地層観察 宝ヶ池公園などに出かけて,太古の深海底で堆積した地層の観察を行う.
釜井  俊孝      応用地質 京都の表層地質と災害 八年前の兵庫県南部地震の際、京都においても被害が集中した地域がありました。吉田山の裏側の浄土寺地区はその一つです。今では人工物の下に隠されている地盤の性質を資料と現地調査(散歩)を通して探りつつ、被害が発生した原因について考えます。
中村 大輔 岩石 偏光顕微鏡を用いた岩石の観察 地球を構成している岩石の種類を解説し、代表的な岩石の観察をしてもらう。また日本列島のような沈み込み帯の地下深部で起きている現象を解説し、実際に地下深部まで沈み込んだ岩石である高圧変成岩を観察してもらう。

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