2002年度 地球科学実験A 実験の紹介


2001年度の実験は7テーマに分かれています。受講者を7班に分け、2回を一つの実験テーマで行い、半期の内に各班5つの実験テーマで実習を行います。

曜日 教官名 分野 テーマ

内容

北原 達正

太陽

太陽フレアの解析

太陽表面で起きる爆発現象「太陽フレア」を解析する。飛騨天文台で撮影されたHα線画像のデジタルデータを用いて、パソコンで画像解析をする。

大塚 成昭

測地

高さの測定(水準測量)

ここでのテーマは「高さ」です。「高さ」の測定は「水準測量」と呼ばれています。この実験では総合人間学部のキャンパスから吉田山までの水準測量を行います。少々の雨ならば傘をさしてでも屋外で実験を行いたいと思います。100m以上も離れた2地点間の高さの差をミリメートルの精度で測定します。体を動かすことが好きな人、大歓迎。

酒井 敏

気象

空の温度を測る

耳穴式体温計は、人間の体から出る赤外線強度を測定して体温を測る。同じ原理の赤外線放射温度計を空に向けると何が測れるのだろうか?実際に、簡単な測定器で測定をしたりして、「空の温度」とはなにか考えてみよう。

大野 照文

古生物

化石でひもとく太古の歴史 二枚貝や三葉虫の化石を観察して、地球の過去や生物の進化が判った気にになります。ウソだと思ったら受講してみてください。二枚貝の殻に記録された微細な成長線を解析することによって、それがどのような周期で作られたのかを推定します。また、形成周期が判ればそれを使って二枚貝の化石の成長を、きわめて良い精度で復元することも可能です。このような内容を実習によって学びます。また、三葉虫の化石をしっかり観察することによって、過去の生物の生態を復元する作業をします。歴史について仮説を立て、検証することの面白さを学びます。

堤 昭人

地質実験

堆積物の透水性のモデル実験

ここでは,ガラスビーズや砂などを使った室内透水実験を通じて,砂や泥の層のような,多孔質媒体中の水の流れに関する,基本的な性質を把握することを目的とします.

下林  典正

岩石

火成岩の顕微鏡観察

地下のマグマが冷却・固結してできる火成岩を題材として、顕微鏡で観察するための岩石プレパラートを自分たちで作製していただきます。その顕微鏡観察を通して、冷却過程と岩石を構成する鉱物の集合パターンとの関連などを考察します。

加藤 護

地震

地震の波形記録を眺めてみよう

地震計とはどういうものなのだろう。さまざまな地震の記録を眺めて、何が分かるのかを考えてみよう。・実際に、ハンマーで地面をどついて(日頃のストレスを発散し)人工的に地震を発生させ、記録してみよう。うまく記録できれば、その記録から、地面表層の構造を探ってみよう。

石井 貴子

太陽

太陽自転速度の測定

太陽黒点を用いた太陽自転速度の測定を行ないます。太陽観測衛星によって得られたデータをもとにして測定をします。また、天気が良ければ、小望遠鏡と投影板を用いて当日の太陽像の観望も行ないます。

西田 潤一

重力

可逆振子による重力測定

地球の重力を正確に測定することは古くからの地球科学のテーマである。地球重力を測定することの意義を簡単に講義するとともに、その絶対測定を行ってみる。

余田 成男

気象

カオスの体験

気象学に関連する話題の中で「カオス」の概念が有益である次の2つをとりあげ、それぞれの概要を紹介し、関連する簡単な実験を行なう。(1) 数値天気予報における予報誤差の拡大:電卓を用いて「天気予報」がはずれていく様子を体験する(2) オゾンホールに代表される地球規模での物質混合:墨流しをすることにより流体混合のカオスを体験する.

大見 士朗 

地震

西南日本で発生する地震の震源決定

自分達の足元で発生したいくつかの地震の震源決定をやってみる。教材は、京大の地震観測網で記録された、近畿地方や中国地方で最近発生した地震の波形記録。主に作図によってこれらの地震の震源の位置を決めてみるが、そのほかに実際の業務で利用されている震源決定プログラムもコンピュータ上で試してみる。

山路  敦

地質

野外地層観察 宝ヶ池公園などに出かけて,太古の深海底で堆積した地層の観察を行う.

金子 克哉

地球流体

対流のいろいろ

誰でも火にかけた鍋の中の味噌汁の対流を見たことがあるだろう.海洋やマグマなどの液体では,様々な原因による対流が起こり,地球の多様な現象を引き起こす原因になっている.いろいろな対流を実際に見てみよう.

石川 尚人

堆積物

堆積物の中身を見る

浸食・運搬作用によりもたらされる砕屑物や生物活動による産物は湖底や海底に降り積もり堆積物となる。堆積物は地球表層での環境変動を記録している媒体と言えよう。この実験では、堆積物のもつ情報のうち微化石(一回目)と走磁性バクテリア(二回目)に着目してみる。深海底の堆積物や大学近くの池で採取する泥から上記の‘ブツ’を実際に取り出して顕微鏡等で見てみよう。

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