TOP >> 詳細 >> 大気の温度

昼間の大気はよく混ざる

地球上の大気は、地表面の影響を強く受ける大気境界層と、その上にあって、直接的な地表面の影響よりも、地球の自転など地球全体の影響を強く受ける「自由大気」に分かれます。その境界面ははっきり決まっているわけではありませんが、大体地表から1km位上空にあります。我々の生活圏である都市は超高層ビルも含めて、すっぽり大気境界層の中にあります。

境界層の温度は、日射の影響で1日周期で大きく変動します。太陽の光が熱に変わるのは地表面ですから、温度変化が最も大きいのは地表面付近で、境界層上端ではほとんど1日の温度変化が見られなくなります。

太陽の光が地表を温める日中には、温められた空気が上昇して対流を起こし、境界層全体がよく混合します。結果として境界層全体の温位(注:下部参照)がほぼ一様になります。

上空は地上付近に比べてかなり強い風が吹いていますので、水平方向にもよく混ざり、結局、都市サイズの大気境界層内は、高さ方向も水平方向も温位がほぼ一様になります。したがって、都市部も郊外も気温はほとんど同じになるのです。

それでも、熱源(地表)の近くのほうが少しは温度が高いだろうと思う人もいるかも知れません。夏の昼には1KW/m^2程度の熱が太陽から地表面にもたらされます。その熱を大気が上空に運んでいるわけですが、その輸送効率は極めて高く、ほとんど温度差を生じません。もちろん、ごく僅かに温度差が生じるので対流が起こるのですが、それを正確に測定することが困難な位に一様になっています。つまり、この太陽の熱に加えて人間が多少熱を放出したとしても、それによって、昼間の地表気温が顕著に上がるということは、まず考えられません。人間が出している熱量は日射量よりも1桁小さな量なのです。

これに対して、夜間は放射冷却により、地表面付近から気温が下がっていくため、冷たく重たい空気が下に溜まって安定成層をなし、混合はほとんど起こらなくなります。


このように夜間には大気がほとんど動かないために、局所的に熱を出したり、地表面が昼間の熱を蓄熱していたりすると、気温が下がらずヒートアイランドが出現します。

温位: 大気は上空に行くに従って、気圧が下がって膨張するために気温が下がります。この気圧の影響を取り除いて考えるために、「同じ圧力にしたときの気温」を温位と言います。たとえ、上空の気温が地表面よりも低くても、温位が地表面より高ければ対流は起こりません。