岩屑なだれの流動プロセス
〜動圧モデルとSt.Helens山・御嶽山への適用〜
須田 恵理子
(4期生)
要旨
山体崩壊現象の一種である岩屑なだれは見かけ摩擦係数が小さいという特徴をもつ。この原因を調べる為、粉体上での剛体の滑走について実験を行った。
実験の結果、粉体層の存在により剛体の摩擦係数が小さくなることが確かめられた。粉体層中に発生する動圧を考えるとこの結果は上手く説明された。
この動圧モデルが岩屑なだれの流下モデルとして妥当性を有するのか、実際の現象と比較し、検討を行った。
St.Helens山と御嶽山の岩屑なだれに動圧モデルを適用したところ、動圧モデルから見積もられる岩屑なだれの浮上臨界速度は、観測から考えられる岩屑なだれの流下速度とほぼ一致した。このことから動圧が岩屑なだれの低摩擦を説明する可能性が示唆される。
本文
はじめに
粉体上の剛体の動摩擦係数に関する実験
(1)実験方法
(2)実験結果
(3)考察
動圧モデルの岩屑なだれへの適用
(1)事例
(2)適用方法
St.Helens山岩屑なだれへの適用
(1)概要
(2)給原クレーターからの見積もり
(3)堆積物の厚さからの見積もり
(4)結果
御嶽山岩屑なだれへの適用
(1)概要
(2)給原クレーターからの見積もり
(3)堆積物の厚さからの見積もり
(4)結果
まとめ
(1)考察
(2)結論
謝辞
参考文献