2017年度後期 地球科学実験 各実験の紹介

7テーマの実験があります.受講生はこのうち,6つのテーマの実験を各2回ずつ受講します.


教官名 分野 テーマ 内容
石川 尚人 地磁気 地球磁場の方向  地球磁場は現在の地球の環境を制御している要因の1つであり、気候変動にも関わりあることが指摘されてきて います。日頃は意識することのない地球磁場を考えてみる機会として、地球磁場の方向(現在と過去)を求めてみます。 
根田 昌典 気象・海洋 見えないものを見てみよう
私たちの身近にある物体は赤外線を自ら放射しています。地球科学では、赤外線の強さが温度や放射率に関係し て変化する性質を利用して、広範囲の海面温度、雲の状態、陸地の植生分布などの有力な観測手段として利用しています。人間の目は赤外線を直接見ることはで きませんが、赤外線カメラ(サーモグラフィ)を使うと普段とは少し違った風景が映ります。この実験では、対流や傾圧不安定流など人間の目ではなかなか見え にくい水や気体の運動を観測したり、動植物や金属の状態など、いろいろなものが赤外線ではどう見えるのか、想像力を働かせていろいろ調べてみてもらいたい と思います。
風間 卓仁
測地 水準測量と重力測定で地球のかたちを知る
「測地学」は地球の形状およびその時間変化を精確に測る学問です。今回は第1週目に水準測量で地形の高低差 を測り、第2週目には重力測定で地球の重力加速度の大きさを測ります。この実習を通して、「正確に測定すること」がいかに重要で、いかに難しいかを体験し ましょう。
加藤 護 地震 地震の波形記録に親しむ
地震学の基本は地震波形の解析です。地震波形からどのような情報を読み取ることができるのかを体験してみま しょう。
小木曽 哲 岩石 大文字山で石を観て考える
岩石・鉱物を肉眼や顕微鏡を使って観察し、それらからどんな情報を読み取ることができるのかを学びます。
1 週目は、大文字山を登りながら周囲に分布する岩石を観察します。
2週目は、実験室で偏光顕微鏡を使って、大文字山で観察した岩石のミクロな構造や構成鉱物 を観察します。
大文字山の岩石・鉱物から、日本列島の形成過程や地球の変動の歴史を読み解いてみましょう。
鎌田 浩毅 地質 京都市内の建造物に見られる地質・岩石・鉱物を観察する 1週目は、大学のキャンパスから外に出て、京都市内の建造物に見られる 地質・岩石・鉱物を観察します。16:15までに京大へ戻ります。
2週目は、室内で大陸移動・造山運動・噴火・地震のビデオを見て、ダイナミックな「地球の営み」について考察します。
なお、有料の博物館に入館するので1000円弱の現金、往復の市バス代(230円×2)、学生証(学割に使います)、雨傘(雨天でも決行)を必ず各自で持 参してください。また、街中を歩ける靴と服装で来て下さい。交通には十分に注意してください。
鈴木 寿志 地層・古生物 丹波地体群の岩石と年代 1週目は、出町柳から叡山電車に乗って京都市北部の地層を観察しにでかけます。
2週目は、その地層から産出 する微化石を観察し、地質年代を推定します。