2016年度 前期地球科学実験 各実験の紹介

7テーマの実験があります.受講生はこのうち,6つのテーマの実験を各2回ずつ受講します.


教員名

分野 テーマ 内容
石川 尚人 地磁気 地球磁場の諸量の観測 地球磁場は現在の地球の環境を制御している要因の1つであり、気候変動にも関わりあることが指摘されてきています。日頃は意識することのない地球磁場を考えてみる機会として、地球磁場に関する諸量、強さや方向、を計測してみます。
酒井 敏 気象 森はなぜ涼しい? 森は涼しい。あたりまえだと思うかもしれないけど、なぜ?
京大理学研究科植物園内と北部構内に気温と湿度を記録する装置を置いてデータをとり、 森はなぜ涼しいのか考えます。
風間 卓仁 測地 水準測量と重力測定で地球のかたちを知る 「測地学」は地球の形状およびその時間変化を精確に測る学問です。今回は第1週目に水準測量で地形の高低差を測り、第2週目には重力測定で地球の大きさを見積もります。この実習を通して、「正確に測定すること」がいかに重要で、いかに難しいかを体験しましょう。
土井 一生 地震 地球のもっとも浅いところと深いところ

この実験では2つのテーマを扱います。
1)浅いところ:水分を含んだ砂層を台車の上に置いて揺することで液状化を起こし、液状化が発生する条件を調べます。
2)深いところ:世界各地で取得された東北地方太平洋沖地震の揺れの記録を並べてみて、地震波や地球の内部について理解を深めます。

鎌田 浩毅 地質 京都市内の建造物に見られる地質・岩石・鉱物を観察する

1週目は大学のキャンパスから外に出て、京都市内の建造物に見られる 地質・岩石・鉱物を観察します。16:15までに京大へ戻ります。
2週目は室内で大陸移動・造山運動・噴火・地震のビデオを見て、ダイナミックな「地球の営み」について考察します。
なお有料の博物館に入館するので1000円弱の現金、往復の市バス代(230円×2)、学生証(学割に使います)、雨傘(雨天でも決行)を必ず各自で持参してください。また、街中を歩ける靴と服装で来て下さい。交通には十分に注意してください。

成瀬 元 地形・地質 川の動きを理解しよう

川の地形は環境条件の変化に応じて敏感に変動します.この実験では,まず実際の川の地形を観察に行きます.次に,野外で見られた現象を室内での水路実験で再現し,川の地形の動きを支配する要因について理解します.

佐藤 活志 地質構造 プレートテクトニクスと地質構造

京都盆地の基盤は、ジュラ紀のプレートテクトニクスによって形成された「付加体」と呼ばれる地質体で構成されています。この実習では、京都市北部の宝ヶ池公園を歩いて付加体の観察を行い、地質時代のプレートテクトニクスの証拠を探します。また、褶曲構造の方位解析により過去の地殻変動の様子を調べます。