2014 年度 地球科学実験A 各実験の紹介

月曜日・火曜日とも7テーマの実験があります.受講生はこのうち,6つのテーマの実験を各2回ずつ受講します.


曜日 教官名 分野 テーマ 内容
石川 尚人 地球磁場 地球磁場の諸量の観測  地球磁場は現在の地球の環境を制御している要因の1つであり、気候変動にも関わりあることが指摘されてきています。日頃は意識することのない地球磁場を考えてみる機会として、地球磁場に関する諸量、強さや方向、を計測してみます。 
根田 昌典 気象・海洋 見えないものを見てみよう 私たちが物体を見るとき、可視光が物体に当たって反射した光を見ています。その一方で、私たちの身近にある物体はそれ自体が赤外線を自ら放射しています。赤外線の強さは温度や放射率に関係して変化します。これは、人工衛星で海面の温度や雲の状態を観測したり、陸地の植生を見たりすることに応用されている原理です。人間の目は可視光よりも波長の長い赤外線を直接見ることはできませんが、赤外線カメラ(サーモグラフィ)を使うと、普段とは少し違った風景が映ります。部屋の中や建物の外、植物や動物、金属、水や気体の運動など、いろいろなものがどんなふうに見えるのか、想像力を働かせていろいろ調べてみてもらいたいと思います。
金子 克哉 地球流体 伝わる,流れる,混ざる 地球では,熱や物が伝わったり(伝導,拡散),流れたり(対流)しながら移動し,混ざったり(混合),分かれたり(分離)する中で,様々な現象が引き起こされている.水や塩水などを使った実験を通じて,その向こう側にある地球の現象を見てみよう.
風間 卓仁 測地 水準測量と重力測定で地球のかたちを知る 「測地学」は地球の形状およびその時間変化を精確に測る学問です。今回は第1週目に水準測量で地形の高低差を測り、第2週目には重力測定で地球の大きさを見積もります。この実習を通して、「精確に測定すること」がいかに重要で、いかに難しいかを体験しましょう。
加藤 護 地震 地震の波形記録に親しむ 地震計のしくみを知ろう、地震波形を見てみよう、地震波形から情報を読み取ろう。
小木曽 哲 岩石 野外と室内での岩石観察 岩石には、岩石ができた時の情報が記録されています。この実験では、岩石を肉眼や顕微鏡を使って観察し、岩石からどんな情報を引き出すことができるのかを学びます。大文字山を登りながら、また、実験室で顕微鏡を覗きながら、地球の変動の歴史や日本列島の形成過程を岩石から読み取ってみましょう。
鈴木 寿志 堆積・古生物 丹波地体群の岩石と年代

一週目は、出町柳から叡山電車に乗って京都市北部の地層を観察しにでかけます。二週目は、その地層から産出する微化石を観察し、地質年代を推定します。

吉村 令慧 地球電磁気 地下を電気でイメージしよう オームの法則を使って、地下の構造をイメージしてみます。座学に加え、データを自分たちでとって実際にデータ処理・構造推定を行います。室外での測定もありますので、動きやすい服装(+雨具持参)で出席してください。
酒井 敏 気象 森はなぜ涼しい?

森が涼しいのはあたりまえ?木があるから?木があるとなぜ涼しい?水を蒸発させるから?ホント?そうなら、森の空気には水蒸気が多いはず。じゃ、測ってみよう。といっても、それが測れる機械は売っていない。じゃ、作るしかないじゃん。というわけで。。。。

金子 克哉 地球流体 伝わる,流れる,混ざる 地球では,熱や物が伝わったり(伝導,拡散),流れたり(対流)しながら移動し,混ざったり(混合),分かれたり(分離)する中で,様々な現象が引き起こされている.水や塩水などを使った実験を通じて,その向こう側にある地球の現象を見てみよう.
加藤 護 測地 わたしは誰、ここはどこ

地球上での自分の位置を知ることは地球科学の重要な研究テーマの一つです。 「私はどこにいるの?」「私とあなたはどれだけ離れている?」体感 してみましょう。

谷口 慶祐 地震 地震計の原理を学び、地震の波形記録を扱ってみよう 地面の上に置いた地震計で、なぜ地面の動きを得ることが出来るのでしょうか。地震計は地面の変位を、しかも忠実に記録しているのでしょうか。近畿地方での地震発生頻度は私たちが感じてほど低いのでしょうか。これらのことを考えながら、実際の記録を解析してみましょう。
渡邊 裕美子 古気候 地質サンプルから探る古気候変動 近未来の気候変動を予測するために、過去の気候変動を把握しておくことはとても重要です。過去の気候変動は、地質学的サンプル(樹木・堆積物コア・氷床コア・サンゴ・鍾乳石など)の詳細な分析・解析に基づいて知ることができます。今回の実習では、沖縄県で採取したサンゴを題材として、その中の化学組成を計測することで、サンゴが生息していた時の環境情報(海水温)を抽出します。過去の地球環境を復元していく過程を実際に体験してみましょう。
鎌田 浩毅 地質 京都市内の建造物に見られる地質・岩石・鉱物を観察する 1週目は大学のキャンパスから外に出て、京都市内の建造物に見られる地質・岩石・鉱物を観察します。16:15までに京大へ戻ります。2週目は室内で大陸移動・造山運動・噴火・地震のビデオを見て、ダイナミックな「地球の営み」について考察します。なお有料の博物館に入館するので1000円弱の現金、往復の市バス代(230円×2)、学生証(学割に使います)、雨傘(雨天でも決行)を必ず各自で持参してください。また、街中を歩ける靴と服装で来て下さい。交通には十分に注意してください。