2011年度の実験は各曜日8テーマに分かれています。月曜および火曜日で受講者をそれぞれ8班に分け、2回を一つの実験テーマで行い、半期の内に各班5つの実験テーマで実習を行います。
曜日 | 教官名 | 分野 | テーマ | 内容 |
月 | 大塚 成昭 | 測地 | 高さの測定(水準測量)と地殻変動の監視 | ここでのテーマは「高さ」です。「高さ」の測定は「水準測量」と呼ばれています。この実験では、水準測量のしかたを習得し、100m以上も離れた2地点間の高さの差をミリメートルの精度で測定します。さらに、データに含まれる誤差の処理についても学びます。 自分たちの測定結果と先輩たちのデータとを比べることで、地殻の上下変動を検出することを試みます。近年、日本各地で大きな地震が、相次いで発生しています。地震に関連する地殻変動があるかも知れません。大地の動きを見つめてみませんか。 体を動かすことが好きな人、大歓迎。 |
月 | 石岡 圭一 | 地球流体 | 回転流体の基礎の基礎 | 大気や海洋などの地球流体運動には, 地球の自転が非常に大きく効いており,様々な特徴ある現象を引き起こす. この効果を回転台を使った実験で体感しみよう. |
月 | 谷口 慶祐 | 地震 | 地震計の原理と地震波形の解析 | 地震計の原理や特性を学び、それを用いて地震波形を解析しよう. |
月 | 佐藤 活志 | 地質 | プレートテクトニクスと地質構造 | 京都盆地の基盤は、ジュラ紀のプレートテクトニクスによって形成された「付加体」と呼ばれる地質体で構成されています。この実習では、京都市北部の宝ヶ池公園を歩いて付加体の観察を行い、地質時代のプレートテクトニクスの証拠を探します。また、褶曲構造の方位解析により当時の地殻変動の様子を調べます。 |
月 | 三宅 亮 | 地質・岩石 | 大文字山の岩石鉱物観察 | 大文字山を歩き,そこに産出する岩石鉱物の観察を行う。 |
月 | 根田 昌典 | 海洋・気象 | 見えないものを見てみよう | 私たちが物体を見るとき、可視光が物体に当たって反射した光を見ています。その一方で、私たちの身近にある物体はそれ自体が赤外線を自ら放射しています。赤外線の強さは温度や放射率に関係して変化します。これは、人工衛星で海面の温度や雲の状態を観測したり、陸地の植生を見たりすることに応用されている原理です。人間の目は可視光よりも波長の長い赤外線を直接見ることはできませんが、赤外線カメラ(サーモグラフィ)を使うと、普段とは少し違った風景が映ります。部屋の中や建物の外、植物や動物、金属、水や気体の運動など、いろいろなものがどんなふうに見えるのか、想像力を働かせていろいろ調べてみてもらいたいと思います。 |
月 | 加藤 護 | GPS | わたしは誰、ここはどこ | 地球上での自分の位置を知ることは地球科学の重要な研究テーマのひとつです。その伝統を引き継ぎ、ハンディGPSを使って、京大の中、地球の上であなたはどこにいるのか確認してみましょう(注意:歩きます。かなり歩きます。) |
月 | 石川 尚人 | 地球磁場 | 地球磁場の方向の計測 | 地球磁場は,棒磁石のようなN,Sの両極をもつ双極子が作り出す磁場と見なすことできます。その地球磁場に関して,真北(地理的な北)と磁気的な北とのずれ「地磁気偏角」や過去の地球磁場の方向を,簡単な計測を通して求めてみようと思います。我々は日頃地球磁場を意識することはありませんが,この実習で地球磁場に思いを馳せてみましょう。併せて,地球磁場を感じることができる生物も観察してみます。 |
火 | 北原 達正 | 太陽 | 太陽の分光解析 | 太陽の表面温度の6000℃や、太陽大気中の構成原子はどのように決定されていったのだろうか。連続スペクトルと輝線スペクトルの実験から「光」の本質に迫る。また、飛騨天文台太陽望遠鏡で撮影された精密スペクトルの分析も行う。 |
火 | 向井 厚志 | 重力 | 可逆振子で重力を測る | ケータ可逆振子を使って重力加速度を測定します。重力は地球内部の質量分布やその変動を捉える重要なシグナルのひとつです。上下反転可能な可逆振子の仕組みと測定結果の処理方法を学びながら、精密な重力加速度の測定にチャレンジしてみましょう。 |
火 | 河上 哲生 | 岩石 | 肉眼と実体・偏光顕微鏡による岩石の観察 | 地球表層に産する代表的な火成岩・変成岩・堆積岩の観察を行う。1回目は肉眼と実体顕微鏡により観察を行い、どのような形状・組成の鉱物からこうした岩石が出来ているのかを理解してもらう。2回目はこうした岩石のうち代表的なものを25-30ミクロンに薄く削って作成した「薄片」を偏光顕微鏡で観察し、どのような情報が取れるのか、どのように鉱物を鑑定するのかを概説し、実習する。取り扱う岩石は主として国産のものであるが、担当教員が研究している南極大陸などの岩石も用いる。 |
火 | 小木曽 哲 | 地質 | 大文字山の地質と岩石 | 大文字山を登りながら、そこに分布する岩石を観察します。私たちの住む日本列島がどのようにして形成されてきたのかを、野外にある岩石を眺めたりたたき割ったりしながら議論しましょう。 |
火 | 大倉 敬宏 | 測地 | 地面のタカサを測ります | 地面のタカサの測定(水準測量)を行います.この実験では、水準測量のしかたを習得し、離れた場所の高さの差を高精度で測定します。 |
火 | 石川 尚人 | 地球磁場 | 地球磁場の方向の計測 | 地球磁場は,棒磁石のようなN,Sの両極をもつ双極子が作り出す磁場と見なすことできます。その地球磁場に関して,真北(地理的な北)と磁気的な北とのずれ「地磁気偏角」や過去の地球磁場の方向を,簡単な計測を通して求めてみようと思います。我々は日頃地球磁場を意識することはありませんが,この実習で地球磁場に思いを馳せてみましょう。併せて,地球磁場を感じることができる生物も観察してみます。 |
火 | 加藤 護 | 地震 | 地震の波形記録を扱ってみよう | 地震計のしくみを知ろう。地震記録を見てみよう。それを読み取ってみよう。 |
火 | 金子 克哉 | 地球流体 | 伝わる,流れる,混ざる | 地球では,熱や物が伝わったり(伝導,拡散),流れたり(対流)しながら移動し,混ざったり(混合),分かれたり(分離)する中で,様々な現象が引き起こされている.水や塩水などを使った実験を通じて,その向こう側にある地球の現象を見てみよう. |