2002年度 地球科学実験B 実験の紹介


2002年度の実験は,各曜日とも7テーマに分かれています。受講者を7班に分け、 セメスターを通して,ひとつの実験テーマに取り組みます.実験の最終回には,成果発表会を行います.

曜日 教官名 分野 テーマ 内容
         
北原 達正 太陽 太陽フレアの画像解析 飛騨天文台で撮影した太陽表面のHα画像をスキャナで読み込んで画像解析を行います.対象は太陽表面の爆発現象,フレアです.
大塚 成昭 測地 高さの測定(精密水準測量)による地殻変動の検出 こでのテーマは「高さ」です。「高さ」の測定は「水準測量」と呼ばれていて、この実験では総合人間学部のキャンパスから吉田山までの精密水準測量を行います。先輩たちの結果と比較して地殻変動の検出を試みます。前半は屋外で測量を行います。後半は、パソコンでデータ処理をします。体を動かすことが好きな人、歓迎。
紀本 岳志 生命起源 生命起源を推理する 生命起源は,いまだ錬金術の域を出ていない分野である.一昨年,昨年の実験で,偶然アミノ酸合成に関する新反応の尻尾が見え始めた.本年は,それを確認することを試みたい.
川方 裕則 地震 断層のすべり方の特徴を探ろう 地震,特に大被害が出るような大きな地震が発生するときに,断層面はどのようにすべるのだろうか?実際に観測される地震の波形から,よくすべる部分とあまりすべらない部分が存在することがわかってきている.どのような部分がよくすべり,どのような部分があまりすべらないのか,摩擦の性質がいろいろに違う物体をバネで引っ張りながら,その特徴を探り,地震の起こり方・成長のしかたにせまる.
内藤 陽子 気象 ロスビー波の可視化 大気中には、目に見えないけれどいろいろな波が存在しており、ある種の波は、地球の自転の効果が緯度によって違うこと、言うなれば地球の「丸み」を感じて伝播しています。ロスビー波というこの波の伝播を、水槽の中で目に見える形に再現してみましょう。
玉井 雅人 岩石磁気 堆積残留磁化獲得の模擬実験 過去の地球磁場の状態は,岩石などに記録された残留磁化を測定することによって研究されている.この残留磁化の獲得機構の一つである堆積残留磁化を,人工的に獲得させてみよう.
鎌田 浩毅 火山地質 阿蘇火山と由布火山の火山見学旅行 九州の阿蘇火山・由布火山まで出かけて行き、現地で火山噴火の堆積物を手にとって観察し、実際に起きた噴火現象を推理します。11月1日(金)夕方に大阪南港を出発し翌朝別府港に着き、マイクロバスで阿蘇火山まで巡検し、京大の火山研究所に宿泊します。4日(月;振替休日)夜の船に乗り5日(火)早朝に京都に帰ります。後期半期分の実験を集中して行う火山フィールドワークです。[参考書: PHP 新書 『火山はすごい』740円 (生協で販売中)]  (参考:2001年度実験の記録
         
石井 貴子 太陽 太陽の観測〜太陽の「表情」をみてみよう〜 皆さんにとって身近な天体である太陽のさまざまな「表情」をみてみます。人間の目でみると、黄色っぽいのっぺりした太陽も観測の方法によっていろいろな見え方をします。パソコンを使って世界中の観測機関で得られたデータを眺めてみる他に、天気の良さそうな時には、京大理学部の花山天文台(山科にあります)で、撮像観測と分光観測を実際に行う予定です。
西田 潤一 重力 重力の精密測定 地表面の重力を8桁の精度で測定すると、地下の岩石の密度差による重力異常が測できる。今回は重力の地下の空洞を探査してみたい。
西 憲敬 気象 京都市周辺でのメタンの測定 地球温暖化にも重要な役割を果たしているといわれているメタンを測定します。都市域の発生源には、まだはっきりしない点も残っています。京都市およびその周辺数カ所でメタンを採取し、ガスクロマトグラフィー法で分析します。
谷口 慶祐 地震 地震観測とデータ解析 地震計の原理とその特性を理解する。観測に用いる回路を自作し、それらを用いて、実際に観測し、解析することにより、地下構造の推定を行う。
橋本 学 GPS GPSで何でも計ろう カーナビはじめ,近ごろ話題の人工衛星を使った測位システムGPSは,これからの地球科学には欠かせません.GPSによる測位にはいろんなやり方があり,それぞれ特徴と欠点があります.実験室を飛び出して,京大構内や周辺の位置,距離などの計測を体験してみましょう.
 
松岡 廣繁 古生物 化石を採集し、古生物の分類と生態復元に挑戦する 三葉虫、恐竜、アンモナイト・・・。私たちは、過去地球上に生息した様々な「絶滅生物」の存在を知っています。そうした古生物によって構成されていた、現在とはまったく違った生態系が、地球の歴史上存在していたことも知っています。しかしちょっと待って下さい。どうやってそんなことが分かったのか、その復元の過程を考えたことがありますか? 本実験では、1泊2日の巡検を行い、ここで実際に化石の採集と地質の調査を行います。そして持ち帰ったサンプルを用いて、古生物研究の基礎を体験してもらいます。
釜井  俊孝      応用地質 足元から考える街の防災 いつも歩いている街の下には、自然を改造してきた歴史が埋もれています。過去の大規模な災害は、しばしばこうした人工地形改変地で発生してきました。野外調査と資料調査を通じて小地域の大縮尺災害予想マップの作成を試みます。

 

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